50才からの歯科技工

インレーの側方運動はフリーハンドで確認!模型レスの現状と課題

デジタル印象と模型レス製作の課題

近年、デジタル印象による模型レスでのインレー製作が増加していますが、側方運動の精密な確認には課題があるのではないでしょうか。

模型レスでの側方運動確認の難しさ

  • 干渉の予測: 側方運動時にインレーと対合歯が干渉する可能性があり、特にファセット(咬耗面)がある場合は注意が必要です。

  • 仮想咬合器の限界: デジタル上の仮想咬合器でもある程度確認できますが、フリーハンドのような微調整は困難かと思われる。

フリーハンド確認のメリット

  • 詳細な観察: 残存歯質が多い場合、特にフリーハンドの方が咬合接触や運動経路を詳細に確認できます。

  • 垂直的・水平的確認の分担: 咬合器で垂直的な咬合関係を確認し、細かい側方運動はフリーハンドで確認するのが効果的です。

  • 破折リスクの低減: 口腔内での過度な削合を避け、マイクロクラックのリスクを低減できます。

模型レス製作の現状と今後

  • ケース選択の重要性: 現状では、模型レス製作はケースを選ぶ必要があります。インプラントなど、デジタル製作が適しているケースもあるでしょう。

  • 技術発展への期待: AIなどの技術が進歩すれば、模型レスでも精密な側方運動の確認が可能になるかもしれません。

  • 現時点での最適解: 模型上で適合を確認し、フリーハンドで側方運動を確認することで、質の高いインレーを提供できます。

まとめ

インレーの側方運動確認においては、模型レス製作の技術は発展途上であり、フリーハンドでの確認が依然として重要です。
模型とフリーハンドを組み合わせることで、より精密で機能的なインレー製作が可能になります。